フランス南部の街、ヴァンスにある光の教会『ロザリオ礼拝堂 CHAPELLE DU ROSAIRE』は、画家のアンリ・マティスがデザインの全てを手掛け、81歳の時に完成しました。
西洋の教会によく見られる、タワー状の荘厳でゴシックな雰囲気とは真逆で、日当たりの良い平屋のような建築です。ステンドグラス越しに見る、南仏の明るい太陽の光はキラキラと床いっぱいに反射します。
象徴的なのがこちら、壁に飾られた線1本で描かれた聖人の姿。
マティスが、顔を描かなかったのは、見る人の想像力を邪魔しない為です。人種も肌の色も顔立ちも性別も、まるで宗教すら、心に浮かぶ姿を自由に映し祈れば良いと、メッセージを送っているように感じます。

こちらは絵葉書ですが、実際の絵はかなり大きく、高齢のマティスは、長い竿のような筆を用いて、時にはベットへ腰かけたままで、床に敷いた白いタイルに描いています。まさに、最後の力の全て注ぎ込み、平和と希望を届けています。

どうか、思いやりと愛に満ちた1日をお過ごし下さい。