2021年3月に107歳で亡くなった「篠田桃紅」さん。
独特な美意識を放つ着物姿で媚びない生き様を、メディアで見てきた方も多いと思います。
「103歳、ひとりで生きる作法」
いつも潔く軸がブレず強そうに見える桃紅さんに魅かれ、数年前に図書館で手にした本。この本には桃紅さんのフィルターを通して見た、現代と昔の文化の違いの面白さが、批判ではなく興味深く書かれています。
「便利さと引き換えに
金ダライの中の冷たい水に、母が混ぜてくれたヤカンの熱湯。今は、注文通りの温度のお湯が無制限に流れ出る。これが豊かさというものかどうか疑わしくなる。」
「熱中していると、次のことにつながる。誘い水のように。」
「遠いこと、遠いものは美しく見える
昔の人は遠いことに思いを寄せ、あこがれを育ててきた。隔たりの美、遠いものにあこがれ文化や芸術を育んだ。インターネットの発達は、どんな美をつくるのだろう。」
1913年大正2年~令和まで、これほどの時代の変化を経験するなんて、きっと色んな感情があっただろうなと、思いを巡らせます。