乳海攪拌説①からの続きーーー
海をかき混ぜる為に、雲より高いマンダラ山を根こそぎ堀り起こし、巨大な亀に乗せ
山に大蛇をロープ状に絡め、頭を悪魔がしっぽを神が引っ張り山を回転させ攪拌します。

地球を覆うほどの毒をシヴァが飲み干し、事なきを得ますが、彼の喉は青くなりました。
この時こぼれた毒が、毒蛇や毒草になったそう。
海の生物を全て巻き込み、攪拌はこれから1000年ほど続きます。
やがて海の中から神聖な牛や象や馬や宝石、シヴァの妻となる女神ラクシュミーらが次々と生まれ、最後に医神「ダンヴァンダリ」がアムリタの入る壺を持ち現れます。

悪魔達が霊薬の入る壺を奪いますが、ヴィシュヌが美女に化け取り返し、無事に聖人達はアムリタを口にすることができました。
この時悪魔の1人がアムリタを飲もうとしますが、太陽と月の神に邪魔されます。
このことを恨み日食と月食が起きるそう。
悪魔はアムリタを再度奪おうとしますが、ヴィシュヌに敗れます。
神々は力を取り戻し、平和が戻りました。
アンコールワットやタイの空港で彫刻を見た方もいるでしょう。
インドだけでなく、広くアジア圏に伝わるヒンドゥー教の天地創造の神話です。
先日インド大使館で「ラーマーヤナ」という神話の映画を見ましたが、こちらにも乳海攪拌説の一節が出てきました。
桃太郎や西遊記と似ている物語。
幼い頃から見聞きする神話は、国民性をよく表します。外国の事をよく知りたい時には、神話や昔話を読んでみるといいですね。